Liberty株式会社
代表
林 秀永
写真/芹澤裕介 文/竹田 あきら(ユータック) 動画/ロックハーツ | 2020.08.11
Liberty株式会社 代表 林 秀永(はやしひでなが)
1996年生まれ。神奈川県出身。関東学院大学で建築環境学部卒。大学在学中にYouTubeの収益化を達成し、YouTubeコンサルティングも手掛ける。新卒で大手ソフトウェア販売代理店に入社するも、幼なじみの鈴木氏とYouTube動画の制作・コンサルティングを手掛けるLiberty株式会社(旧Liberty office)を設立。
YouTubeを始めてみたものの再生回数が伸びず、いつしかせっかくつくったチャンネルを放置……そんな会社も少なくないのでは?
YouTubeの再生回数が伸びないのは、コンテンツの内容がつまらないからではなく、“視聴者に伝えたいことを正しく伝わるチャンネル運用をしていないから”だと、Liberty株式会社の林秀永代表は指摘する。
「再生回数が伸びないYouTube動画には、同じような原因が考えられます。一方的に情報を発信しているだけで自分たちが何者なのかの説明が不足していたり、編集せずに長時間ダラダラと話していたりと、視聴者を意識した動画づくりができていません」
では、YouTube動画の再生回数を伸ばすにはどうすればいいのか?それはズバリ“Googleに気に入られる動画をつくること”だという。
「WebページのSEO対策と同じように、動画の再生回数を上げるにはYouTubeから高評価を得る必要があります。YouTubeは『再生回数』ではなく『再生時間』を評価の指針としています。当社がクライアントのYouTube動画をつくってチャンネル運用を代行する際、特に注視しているのが『視聴者維持率』です。動画がどれくらい視聴されたかをパーセンテージで示した値で、10分の動画のうち5分間が視聴されたら、視聴者維持率は50%です」
Libertyでは、クライアントのYouTubeチャンネルの運用や動画制作にあたり、データ分析を徹底的に行う。動画の撮影・編集から分析・改善までワンストップで請け負うのが何よりの強みだ。
「視聴データを分析すれば、どこで離脱が起きているのか分かります。その結果をもとに動画の再編集や次回の制作に生かします。会社でYouTube動画を制作する際、おもしろいコンテンツをつくろうとするあまり、視聴者の存在を忘れてしまうことがあります。視聴データを見れば、視聴者の評価がすべてわかり、それをもとに改善すれば視聴者維持率をアップさせることができます」
YouTube動画の制作・改善コンサルティングを手掛けているLiberty株式会社だが、新規事業としてYouTubeで「採用ブランディング」を行うサービスをスタートする。
「10~20代の若者へのアプローチにSNSの活用はマストです。少子化の影響で若手の人材確保が困難な現代において、SNSを利用しない手はありません。特にYouTubeは動画という特性もあり、企業のリアルな姿を知ってもらうことができます。新卒採用サイトには学生たちが求めている情報は載っていません。
社会人になろうとしている学生たちが求めている情報は、自分が入る会社はどんな雰囲気でどんな人が働いているのか、そして実際にどんな仕事をしているのか。テキストでは伝わらない映像という“温度”を求めているのが若い世代です。映像で情報を取得することに“慣れてしまっている”とも言えます」
YouTube動画で、それら学生が求めている情報を提供できれば、新卒採用で他社を一歩リードできると林代表は語る。
「一昔前、動画を採用活動に使うのは一部の大手企業だけでした。しかし、YouTubeが普及したおかげで、誰でも簡単に動画を撮ってアップすることができます。その動画の質を高めれば、大手企業に入るような優秀な人材を、企業の規模に関係なく採用することができます」
営業部の鈴木凌太郎氏とPCの画面を見ながら打ち合わせ。幼なじみの2人はお互いのトークの間を理解しているので、取材中も息はぴったり。
新卒学生の獲得競争は年々激しさを増している。YouTubeで「採用ブランディング」するLibertyのサービスを活用して、若い人たちへの訴求力にあふれた採用戦略をとるのが賢い選択といえる。Libertyを立ち上げた2人には、若さがある。学生の価値観を理解してYouTube動画をつくることができる。
「私たちは今年24歳ですが、今の若い人たちは上の世代とは異なる価値観で動いています。若手の人材を確保したければ、彼らに近い年齢の人たちに任せるのが最短のルートだと思います」
商品やサービスのアピールだけでなく、採用ブランディングや個人のブランディングにも対応するLiberty。最初から自由である「Freedom」とは異なり、能動的に自由をつかみ取る意味をもつ「Liberty」。敢えてこの言葉を選んだ林代表が見据えるのは、今ではなく、5Gの先にある「動画が当たり前になる世界」。未来に向けたビジネスだ。
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