株式会社ArtMind
代表取締役
小川晋平
撮影/海老澤芳辰(リンガフランカ) 文/岡本のぞみ(verb) 動画/ロックハーツ | 2020.09.10
株式会社ArtMind 代表取締役 小川晋平(おがわしんぺい)
1978年東京都生まれ。高校までドイツ・デュッセルドルフで過ごし、帰国。青山学院大学国際政治経済学部を卒業。さまざまな業種を経験した後、2014年に『7つの習慣』のフラクリンコヴィー社に入社し、世界最高の研修プログラムの法人営業を担当。退職後、2020年秋から、人生を前向きにする自己発見プラットフォームを提供していく。
「すべての人の中にはアートがある」
――小川晋平代表の信念は、これからの時代のキーワードになるだろう。つまり、心から好きな生き方をすれば、個人に幸せをもたらすだけでなく、社会全体が豊かになる。しかし、なかなかそれを見つけられないのが、今の日本。小川代表はそれを見つけるための画期的なプラットフォームをこの秋から提供していく。開発のきっかけとなったのは、20年前の小川代表の原体験にあった。
「私は高校までをドイツで過ごし、バスケットボールの世界で活躍する道を目指していました。しかし病気の再発作で激しい運動ができなくなってしまい、断念せざるを得ませんでした。ただ、帰国するタイミングだったこともあって、日本で新しい夢を見つけよう、と思っていたんです。
ところが、両親や友人、先生に相談すると、口を揃えて『好きなことを仕事にするなんて幻想。そんなに社会は甘くない』と反対されたのです。私は、そんな風潮に強烈な違和感を覚えました。当時、好きなことに重きを置いた人生を思い描いていたからです。だったら、自分でそんなプラットフォームをつくって起業したいと思うようになっていました」
小川代表が19歳の頃の決意だった。いまでこそ、ワークライフバランスや個の時代という考えが注目されているが、20年前の日本には早すぎた。そして小川代表自身も若く、このときは自身の考えを浸透させるような力がなかった。
そこで、広い視野を身につけるためさまざまな業種の仕事を経験。その中には、『7つの習慣』という自己開発プログラムを提供する日本支社の仕事もあった。ここで多くのビジネスマンにサービスを提供してきた経験とこれまでの小川代表の知見を結集し、ArtMindのプログラムを開発。この秋から、本格的に始動するのが、「自己発見コース」だ。
「自己発見コースは、自己理解を深め本当の『好き!』を浮き彫りにするためのプログラムです。皆さん、好きを仕事にするとは言うものの、“単純な好き”と“本当の好き”の違いを見出せていません。単純な好きは年齢や趣向によって変化していくもの。食べ物やスポーツなどがそれに当たります。
一方、本当の好き!は自分の根底にあるもの。自分が指針にしている価値観と置き換えてもよいでしょう。それを発見できれば、自分が喜ぶ生き方ができ、キャリアや人生そのものを表すロードマップが描けるようになるのです」
これを実現するためのプログラムとして、3ヶ月で6ステップのオンライン講座とプロのコーチングによるアドバイスが提供される。この組み合わせが肝心で、『7つの習慣』の人気講師を招いて気づきを与えつつ、その実現の障壁になるものをコーチングで排除していく流れ。両方が相互的に関わることで、自分の中にある本当の好きが発見できるのだ。
もちろんプログラムはこれで終わりではない。「自己発見コース」を第1フェーズとして、第2、第3のフェーズも用意されている。
「自己発見コースの後の第2フェーズが『自己表現』です。こちらでは、自分を表現するためのメディアを用意しています。どんなふうに自分自身を発信していくかを実践的に経験するのです。その後の第3フェーズが『個人連携』。人それぞれ追い求めるテーマは違います。一人ひとりの特性を合わせ個が連携できるしくみをつくります」
こうした事業プランを語るときの小川代表自身、自然と身振り手振りが大きくなり、ワクワクしているのが伝わってくる。「こうした世の中ができれば、単純におもしろくないですか?」とも語る。実は、小川代表にとっての「本当の好き」がこの事業を推し進めることだと言う。
「私自身の心のアートは、このビジネスモデルそのもの。私の芸術作品だと思っています。このビジネスモデルを考えること、成立させることが大好きなのです。これに向けて行動している間は、時間を忘れられます。これこそ私にとっての価値であり、大切にして追い続けていくものなのです」
本当の好きが見つかれば、人生が前向きに動き出す。小川代表が一生をかけて実証してくれるだろう。
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