技術力

歯科医療のベーシックを変える “歯科医療の近未来”とは?

さとう歯科医院

院長

佐藤達也

写真/芹澤裕介 文/竹田 明(ユータック) | 2017.09.29

「歯科治療は回数、時間がかかる」という概念を覆す、最新の歯科医療システム。その導入をいち早く決めたさとう歯科医院の院長・佐藤達也氏が、近未来の歯科医療を語る!

さとう歯科医院 院長 佐藤達也(さとうたつや)

東京医科歯科大学卒業。歯科研修医修了。口腔外科・歯内療法(根管治療)矯正歯科・顎補綴を学ぶ。同大・障害者歯科学講座・顎口腔機能治療部において教授診療助手のチームリーダーとして主に審美歯科治療を担当。同時に学外の名医に幅広く尋ねて修行し、自分の診療スタイルを探究した。1992年、東京都大田区東雪谷にて独立開業し現在に至る。

連動性を重視した最新システムの導入

東京大田区の住宅街にある「さとう歯科医院」。外観は普通の“街の歯医者さん”だが、ここに間もなく、日本で最先端の歯科治療システムが導入された。

「今回導入したのは、『歯科用CT』と『セレック』という2つの機器です。治療の部位をCTと口腔内スキャナーで立体的に捉え、そのデータをセレック(セラミックブロックを歯の形に削る精密機械)に取り込んで、コンピュータ制御によって歯の修復物(セラミック歯)を設計・製作します。このシステムを使うと、まず歯型を取る必要がありません。

次に、歯科技工所に依頼する必要がなく、その場で修復物を作製できるので、早ければ即日で治療が完了します。さらに、工作の精度が10ミクロン(1mmの100分の1)単位と高く、削った歯の穴にピタッと合うため、調整や再治療の可能性を最小限にすることができます。

何千万円もする機械を個人の医院で購入するのは負担が大きいはずだが、なぜ導入を決めたのか。

「電車の中などで、『歯医者に長期間通うのが大変』とか『もう痛くないから途中でやめた』などの会話を耳にします。歯の治療を中断すると、削った部分から虫歯になりやすく、挙句は神経がやられてしまいます。

そうなると、歯の神経を抜く根管治療や抜歯が必要になり、高額の治療費がかかったり、歯を失う原因になります。長期治療が原因で起きるこうしたケースを減らしたいとの思いから、導入を決めました」

「歯科用CT」と「セレック」の連動は、工作の精度が10ミクロンと非常に高く、削った歯の穴にピタッと合う。

佐藤氏が、根管治療に至る前の早い段階での治療にこだわるのには訳がある。

「最近、歯周病や歯を失うことの健康上のリスクが次々に分かってきました。歯周病菌が動脈硬化を進行させたり、歯が少ない人ほどアルツハイマー型認知症になりやすいという研究結果も出ています。歯の健康を守ることが、全身の健康を守ることであり、引いては国の医療費問題にも貢献できると考えます。

一般の人に歯の健康の重要性について知ってもらいたいとの思いから、毎月『ナチュラルエイジング通信』を発行して、歯科分野の情報を患者さんに提供しています」

佐藤氏にはもうひとつ、歯科業界そのものを変えたいという目標がある。

「現状、日本の歯科医は大学病院で研究するか、個人で開業するかの道しかありません。そこに第3の道として、歯科の総合病院をつくりたいのです。医師の本来的な使命は“患者を治す”ことです。

しかし、個人開業では開業資金などがすべて個人負担となり、経営は全くの素人からスタートする歯科医師にとってリスクが大きい。そこで、治療に専念したい歯科医が多数集まり、経営は別部門にして、歯科医師は患者にベストな治療を提供していく組織があればよいと考えました。

かつて共に働き、今は別の職場にいる仲間でも、志に賛同してくれれば、いつでもウェルカムです! 

また、当院では、結婚出産で現場を離れた女性歯科医も積極的に採用しています。奥さんが社会で輝けば、旦那さんも輝き、家庭内が明るくなります。

経済的にも余裕が生まれて、第2子、第3子が生まれるかもしれません。そうすれば、日本の社会全体が元気になるのではないでしょうか。“one for all,all for one.(一人はみんなのために、みんなは一人のために)”の精神で、歯科業界から日本を活性化するムーブメントを起こしたいですね」

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vol.40

「人とは真っ当に付き合え!」なぜ、幻冬舎・見城徹は圧勝し続けられるのか

株式会社 幻冬舎

代表取締役社長

見城徹

五木寛之の『大河の一滴』、石原慎太郎の『天才』。そして直近の浜崎あゆみをモデルにした『M 愛すべき人がいて』に至るまで――。数々のミリオンセラーやベストセラーを世に送り出し続けてきた幻冬舎の見城徹社長。 独特の“熱い言葉”が世の中に響き過ぎることもあるが、「圧倒的な結果」を残してきた背景には、見城社長が血のにじむような努力によって作家やアーティストとの関係を丁寧に築きあげ、彼らから絶大な信頼を得ていることが大きい。 人とのつながりをどう作り、強固なものにするのか? あらゆるプロたちに響く、人と仕事に熱狂するためのスピリットを伺った。
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