刺激空間から革新が生まれる

コミュニケーション重視の空間から“あたりまえ”を発明!

株式会社リブセンス

代表取締役社長

村上太一

写真/宮下 潤 動画/アキプロ 文/竹田 明(ユータック) | 2017.02.01

求人サイト「ジョブセンス」で“成功報酬型ビジネスモデル”を発明した株式会社リブセンス。コーポレートビジョンである“あたりまえを、発明しよう。”を浸透させるため、エントランスに大きなオブジェを置いた村上社長。そのこだわりのオフィス空間とは?

株式会社リブセンス 代表取締役社長 村上太一(むらかみたいち)

1986年、東京生まれ。株式会社リブセンス 代表取締役。父方、母方の祖父がどちらも経営者だった影響もあり、小学生のころから“起業”を志す。高校時代から起業準備をはじめ、2006年、大学在学中に4人で株式会社リブセンスを設立。アルバイト求人サイト「ジョブセンス」のサービスを開始。2011年12月に25歳1カ月で東証マザーズ上場。翌2012年10月には25歳11カ月で東証一部に市場変更。ともに史上最年少記録を更新した。初めてのオフィスは大学の教室。その後、大学の近くの高田馬場でオフィスを借り、渋谷を経て、現在の目黒のオフィスに移る。

大学在学中に株式会社リビングセンターを立ち上げ、「成功報酬型ビジネスモデル」を発明に世に送り出した村上社長。同社のコーポレートビジョン「あまりまえを、発明しよう」を次のように語った。

「はてな」と「しずく」で構成している当方のロゴマークには、「あまりまえを、発明しよう」という思いがこもっています。あまりまえを発明するために大切なのは、既存の常識を疑うことですもっと良いものはないかいつも疑ってかご心を「はてな」で表現しています。もうひとつの「しずく」は「雨垂れ、石を穿つ(あまだれ、いしをうがつ)」と精神のもも、滴り落ちる雨だれが時間をかけて石を穿つように、自分でたっが発想したアイデアを広げて、世の中を変えていこうとする意味を込めています」

故事成語「雨垂れ、石を穿つ」という言葉に思いを託す村上社長は、会社のエントランスを入れてすぐにスペースに、巨大なオブジェクトを設置。世の中を変えています思いを社員全員に浸透させ、同社を訪問した人にも理解してもらうためです。

「天井から穴の開けた石へ向かって水が滴るオブジェクトを設置したですが、水を天井へ上げるのが難しいなど、予想外の困難に直面して、実際に水を垂らすのではなく水があります垂れる音だけを流すようにアイデアも出ました。けれど、神は細部に宿ると言葉のように、サービスを創る会社として、細部まで「本物」にこだわり、よりリアルに表現したと思い、本物の水を採用しました」

オフィス空間に格段のこだわりを持っている村上社長は、エントランスのオブジェクトだけでなく、執務エリアにも当然こだわっている。

「大きな空間では、より柔軟で自由な発想が生まれます。天井の高さとクリエイティティーには、折衷関係があると思っているんです。セミナールームの天井は取り払っているんですよ(笑)。どんなオフィースも細部のひとつひとつに私の思いが宿っています」

執務エリア。白を基調としながらも、コーポレートカラーである“青”をしっかりと表現したオフィス。社員同士の雑談を生みやすくするために、すべての壁を取り払った設計になってなど、柔軟で自由な発想を生み出すための、村上社長のこだわりが随所に感じられる。

現在のフィールドを作成するにあたり、村上社長が重視したのは円滑なコミュニケーションができる場所であることだ。

「フィールドを作るうえで、話してやすい空間作りを意識しています。雑談が生まれるにはどうせればよかったか考えて、立て話するための工夫や誰でも転がして移動させて真ん丸の椅子をオフィス内のあちこち置くてあります。社員同志のコミュニケーションからアイデアが芽吹いたら、それをすぐに形にできるように、ホワイトボードをあちらここに設置しています。勉強会を開く部屋の壁は全面ホワイトボードにしていますして、会議室の机もホワイトボードになっていて自由に書き込むことができます。まったく雑談から生まれた新しいアイディアをうまく​​吸い上げビジネスに生かすためです

ガラス張りの会議室。より円滑なコミュニケーションや情報の共有など、リブセンスが重視する“透明性”の象徴でもある、ガラス張りの会議室。雨垂れデザインの照明や、ホワイトボードにもなるテーブルなど、村上社長の細部へのこだわりが存分に発揮されている。

オフィースに壁がないのは、社員間の円滑りコミュニケーションだけで目的はありません。

「セクションごとに部屋割りをしてしまって、事業規模が大きくなった部署を広げるときに制約がかかっています対応してしまうだけではなく、部屋の大きさ、ひいてはそんなに働く人数単位の発想となったそれが原因で成長スピードが鈍ると困りますから、ひとつの大きな空間にみんながいたほうがいいんです」

Room0(ルーム・ゼロ)。勉強会を開くための部屋「Room0(ルーム・ゼロ)」。壁全面がホワイトボードになっており、プロジェクターを投写することも、思いついたアイデアを瞬時にメモすることもできる。勉強会の参加者は、階段の好きな場所に腰かけて話を聞くオープンなスタイル。

大学の教室で起業し、その後、会社の規模が大きくなるように移転をしてきたリブセンス。村上社長はオフィス移転の際に心掛けていることがあると最後に語った。

「移転先の空間が会社の未来を大きくつくると思っています。心掛けているのは、常に現在の会社の規模よりも少し小さい大ぐらいのフィールドを選ぶとこですです。大きなスペースで働くと、より大きな発想もできます、オフィスの空いたスペースを埋めるために、ビジネスを拡大させようと意識が生まれます。まだまだ若い会社ですから、ちょっと背伸びするぐらいがちょうど良い感じだと思っています」

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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