Passion Leaders活動レポート

新型コロナが中小企業に与える経営への影響 調査報告

パッションリーダーズ会員1,071名のリアルな声。96%以上が「影響を受けている」と回答

文/宮本 育 | 2020.05.08

5月4日、緊急事態宣言の延長が決定した。宣言の対象を全国に広げた4月16日以降、国民は休業要請、外出自粛に応えてきたが、感染者の増加をピークアウトさせるという目的を十分に達成できなかったためだ。加えて、北海道では第2波が発生し、この波が各地で起こった際には、すでにひっ迫状態にある医療現場は崩壊する。
そして、延長決定をうけて、長期戦に向けた対策へとシフトしなければならないのが、事業継続が困難な局面を迎えている中小企業への追加施策である。すでに公的支援の申請は始まっているものの、新型コロナウイルス関連の倒産は、約1カ月で115件(5月1日現在) にものぼり、これ以上長期化すればさらに勢いは加速するだろう。
そこで、パッションリーダーズでは、会員企業および個人事業主を対象にアンケートを実施。中小企業経営者たちのリアルな声を集め、現在の問題点などを可視化した。
なお、この調査結果は菅義偉官房長官および総理官邸に提出した。

調査概要
1.目的
新型コロナウイルスが中小企業に与える経営への影響についての調査を目的としている

2.期間
2020年4月17日~2020年4月20日

3.対象
一般社団法人パッションリーダーズ会員企業および個人事業主

4.方法
Googleフォームを利用し、オンライン上でアンケートを実施

5.回答状況
回答数:1,071名(パッションリーダーズ総会員数 4,023名 ※2020年4月現在)

新型コロナウイルスの経営への影響

「会社経営において新型コロナウイルスの影響をどれだけ受けているか」という設問に対し、96.6%が「影響を受けている」と回答。そのうちの7割以上が、事業継続には何かしらの対策や支援を必要としている。

業種別に見ると、もっとも困窮度が高いのは「飲食」だ。「経営的に危うい(65.4%)」、「対策や支援を受けることが必要(30.8%)」と、96%以上が窮状を訴えている。次いで「美容・ブライダル」で、90.6%の企業が経営に支障をきたすほどの影響を受けていると回答した。これら2業種においては、緊急事態宣言の発令により予約激減・キャンセルが相次いだことに加えて、店舗の家賃比率が高い業種ゆえ、休業中でも大きな支出を免れないのが理由のひとつと思われる。

従業員の規模別においては、「経営的に危うい」と答えた上位は、「200名~500名未満(36%)」、「10名~20名未満(31%)」、「50名~100名未満(26%)」で、支援を必要とする企業も含めると、それほど大きな差は見られないため、従業員規模に関わらずダメージを受けているということがわかる。

また、事業エリア別に見ても、感染者数が多い首都圏や関西地方に限らず、全国各地で経済活動が停滞していることが見てとれる。
 

公的支援の利用状況

「助成金や補助金、資金繰りの特例措置などの公的支援で利用しているものは何か」という設問に対し、もっとも利用数が多かったのが「セーフティネットや新型コロナウイルス特別貸付融資(478回答数)」、次いで「雇用調整助成金(229回答数)」、「税金や社会保険料等の猶予措置(134回答数)」であった。

ほかにも、持続化給付金、交渉により家賃減額、自治体による対策融資などを利用したという回答もあった。

注目すべきは、「経営的に危うい」もしくは「対策や支援を受けることが必要」と答えている企業のうち、1~2割が公的支援を利用していないという現状だ。

公的支援利用におけるハードルや課題

公的支援を利用していない理由のうち、もっとも多かったのは「申請条件や書類の難解さ(146回答数)」だった。

特に利用の多い、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」においては審査が必要で、条件である「中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方」を証明するため、過去の業績や売上高といったエビデンスを示さなければならない。新規事業(1年以内の事業)の場合、それを提示するのは難しく、そもそも対象とならないという声があった。

ほかにも、窓口が混雑している、情報が複雑で難解、受給まで時間がかかるといったことも、各種申請に対する課題として挙げられていた。

また、経済産業省の融資保証制度「セーフティネット」の認定を受けたにもかかわらず、銀行から返済の見通しが立たないと貸せないと断られたケースも報告されている。

公的支援の利用手段

公的支援を利用した人を対象に利用手段を聞いたところ、「自社で申請した(50.9%)」が半数を占めていた。次いで「取引銀行に依頼した(14.8%)」、「社労士に依頼した(12.9%)」。これらのほか、行政書士に相談、親会社と連携予定という回答もあった。

公的支援を利用するための費用

公的支援を利用するにあたり、かかった費用について質問したところ、前述の利用手段の半数が「自社で申請した」だったため、「無償だった(51.3%)」という回答だった。有料だった場合でも「成果報酬の5~10%」が7.6%、「成果報酬の10%以上」が4.1%。
「その他(2.9%)」においては、会社顧問の報酬内でまかなえた、元本据え置き期間中の金利分、顧問社労士の月額費用のみ、商工会議所の会員になったといった答えがあった。
 

経営者交流会パッションリーダーズの活動についての希望

「オンラインツールを活用したパッションリーダーズの活動として、参加してみたいコンテンツにチェックしてください」という設問に対して、もっとも多かったのは「経済の行方・アフターコロナ勉強会(523回答数)」だった。ほかにも、「休業補償や現金給付セミナー(417回答数)」、「融資・セーフティネットセミナー(412回答数)」、「雇用調整助成金セミナー(353回答数)」といった公的支援にまつわるセミナーを求める声が多く、申請に苦戦した様子が反映されている。

また、今後のパッションリーダーズに期待するものとして、

・イベントは中止では無く、なるべくオンラインで実施してほしい。アフターコロナを見据えた勉強会、情報交換、交流など。

・色々なビジネスの変革事例の情報発信や成功例、失敗例、またチャレンジ途中の事例など、業種ごとの事例を見られる様なページを作ってほしい。

・この状況を前向きに捉えていけるような近藤代表の対談などをYouTubeなどでたくさん配信してほしいです。

・パッションリーダーズメンバー同士のビザスク(相互相談)のような支援。

・倒産企業が増えるため、企業再生に向けたマッチングや勉強会。

など、多数の声が寄せられた。

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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