Passion Leaders活動レポート

[パッションリーダーズ全国定例会] NEXT LEADER対談 vol.2

「Passion Leaders AWARD 2016」受賞者2名と近藤太香巳による劇的成長論

文/宮本 育 写真/阿部 拓歩 | 2021.10.26

約4,000人の会員を有するPassion Leadersが主催するビジネスコンテスト「Passion Leaders AWARD」。2016年に第1回が行われ、大賞に株式会社ユビレジ・木戸啓太氏、準大賞に株式会社manebi・田島智也氏が受賞。今回、両氏と近藤氏による念願のトークセッションがこのたび実現した。あれから5年。当時の様子をはじめ、受賞後の変化や、今、世界中がダメージを受けているコロナ禍の苦難とどのように向き合い、進化し続けているのか、語った。
(2021年9月28日に開催されたパッションリーダーズ全国定例会より)

  

●株式会社ネクシィーズグループ 代表取締役社長 兼 グループ代表
近藤 太香巳(こんどう たかみ)
1967年11月1日生まれ。19歳のとき、50万円を元手に会社を創業。34歳でナスダック・ジャパン(現ジャスダック)へ株式上場し、37歳で2004年当時最年少創業社長として東証一部に上場。2015年グループ2社目を上場。エネルギー環境事業、電子メディア事業、経営者交流団体「パッションリーダーズ」のいずれも日本一の規模にまで拡大。新プロジェクトであるセルフエステBODY ARCHI(ボディアーキ)を全国に展開中。常に新しい事業領域にチャレンジを続け、ビジネスパーソンから若者まで情熱あるリーダーとして圧倒的な支持を得ている。世界的経済紙・Forbes(フォーブス)による『Forbes Asia’s 200 Best Under A Billion 2018』に選定。『JAPAN VENTURE AWARD 2006』最高位経済産業大臣賞受賞。『シーバスリーガル ゴールドシグネチャー・アワード2009 Presented by GOETHE』ビジネスイノベーション部門受賞。2020年業界をリードする環境先進企業として、環境大臣より「エコ・ファースト企業」に認定。

●株式会社ユビレジ 代表取締役
木戸啓太(きど けいた)
1985年7月1日、石川県加賀市生まれ。慶応義塾大学大学院理工学研究科データサイエンス研究室を修了。2009年、大学院在院中に学生仲間とホームサーチ株式会社を設立。2010年に業界初のiPadを活用したクラウドPOSレジアプリ「ユビレジ」をリリースする。「カンタンがいちばん」をコンセプトとし、オーダーや在庫管理など、ラインナップを拡充。サービス産業におけるあらゆる業務のデジタル化・効率化を推進している。Passion Leaders AWARD 2016にて大賞を受賞。

●株式会社manebi 代表取締役社長
田島智也(たじま ともや)
1986年8月25日、東京都生まれ。日本大学生産工学部卒業後、2010年にBees&Honey株式会社を共同創業。2013年8月に株式会社manebiを設立し、代表取締役CEOに就任する。オンライン採用のプラットフォーム「playse」や、派遣労働者が自らキャリア形成するための専用eラーニングシステム「派遣のミカタ」などを展開。人の幸せに直結する事業をテクノロジーで展開していくHeart Tech Companyとして邁進している。Passion Leaders AWARD 2016にて準大賞を受賞。


Passion Leaders AWARDとは

日本一の経営者交流会パッションリーダーズが主催する、真のリーダーの発掘、健全なビジネスの発展を目的としたビジネスコンテスト。2016年に第1回、2018年に第2回が行われ、一次・二次選考を通過したファイナリストたちの情熱あふれるさまざまなアイデアが繰り広げられた。ここで評価されるのは、ビジネスの先見性と独自性。そして、あふれる情熱とゆるぎない志。豪華審査員によるアドバイスの他、出資してもらえるチャンスも。ビジネスや自己の成長につながる経営者のための祭典である。


◆コロナ禍による変化は? ピンチ/チャンス/働き方

木戸:コロナ禍により新規での受注がすべてストップしました。しかし、振り返ってみると、創業時は売上も社員も僕の給料もすべてゼロだったなと。そう考えたら、サブスクリプションによる月額課金はあるし、社員もいるし、残っているものがたくさんあると気づきました。なので、ここから改めてスタートしようと気持ちを切り替え、新しいサービスを開発するなど、ピンチをチャンスに変え、今、徐々に上がっているタイミングです。

働き方については、フルリモートワーク、チャットツールベースにしました。これにより場所に左右されず、世界のどこからでも優秀な人材を採用できるようになりました。

田島:ピンチは、リモートワークにシフトし始めた頃、チャットやオンラインミーティングで誤解やすれ違いが生じたことです。チャンスについては、接触を避けるため、あらゆるものがオンラインとなり、当社のオンライン教育システムにも興味をもっていただく企業が増えたことで、コロナ禍前よりも成長軌道が高まっています。働き方に関しては、オフィスの在り方が変化しました。緊急事態宣言が明けても、在宅ワークを希望する社員には出社を強制せず、その都度、対面でコミュニケーションをとりたいとき、集中して仕事がしたいときに活用できる場所にしていこうと考えています。

近藤:当グループも影響を受け、ネクシィーズグループならびに関連会社を合わせて20億円以上の赤字となりました。でも、ピンチはこれまで何回も経験している。なので、ただただ前向きに、何とかしなければとさまざまな対策をとりました。そのなかで大きく変化したのは働き方かな。

これまでは支店の拡大を目指していたけど、コロナをきっかけに5、6人によるユニット制にしました。これを全国80以上つくったのですが、各ユニットごとにリーダーが生まれたことで責任者の数が増加。さらに、2年半前から開発していた営業管理ソフト「ちきゅう」をスタートさせたことで、業績はコロナ前とほぼ変わらない状況まで復活。今回のコロナ禍は、ピンチのときこそ、どのように変化させ、進化させていくことが大切かを学べた経験だったね。

◆withコロナ時代、どのように攻めていく?

木戸:当社は、iPadで使えるPOSレジ「ユビレジ」を提供していますが、コロナになる前後から、店員さんとお客さんの接触頻度をいかに減らすか、店員さんが少ない状態でもお店を回すにはどんな機能を入れたらいいかなどを考え、モバイルオーダーサービス「ユビレジQRオーダー&決済」を開発しました。

現在、飲食店の賑わいが失われていますが、これからどんどん元に戻るなかで、単に元に戻すのではなく、新しい賑わい方や体験をつくるというコンセプトのもと、同サービスでこれまでと違う飲食店での楽しい時間、働きやすさをお手伝いしていきたいと考えています。

田島:これからは、オフィスと自宅を使い分けるハイブリッドな働き方になると思っています。当社としては、ここは対面による研修や教育で、ここはオンラインで、というそれぞれのメリットを生かし、メリハリのある教育システムを戦略的に展開していき、生産性の高い学習とは何かを追求していきます。また、2023年にかけて、グローバル企業の25%が、オン・ボーディング責任者を配置するというデータがあります。これは新たに採用した社員が早期活躍・定着するために必要なサポートを行う責任者のこと。当社も研修だけでなく、人材のサポートをしていくようなシステムを企画し、新しい働き方に合わせたサービスとなるよう開発を進めています。

近藤:今後、コロナがどのようになっていくのかわからないけど、当グループではコロナ前と同じく、仲間との集いを大切にしていこうと考えています。集まることでいろいろなアイデアが出たり、雑談から素晴らしいビジネスが生まれたりするからね。ただ、コロナ禍で誕生したユニット制は続けていき、100~200ユニットまで増やそうと決めています。そしてもう一つ。ネクシィーズ・ゼロシリーズに新しく「スマート農業」をスタートさせました。農業用ハウスをはじめ、ICTを活用した最新農業設備のレンタルサービスで、すでに導入希望者が殺到しています。まだ始まったばかりですが、気合を入れて、攻めて攻めて攻めまくっていきます。

▶ネクシィーズ・ゼロシリーズ「スマート農業」について

◆経営者になることを意識しはじめたのはいつ? なぜ、今のサービスに着目した?

木戸:高校時代、いろいろな本を読みながら、将来何になろうかと考えていました。その本の中に近藤代表など起業家の方が書かれたものがあったのです。メディアにもよく露出されていて、近藤代表がパーソナリティーを務めていたニッポン放送の番組もよく聴いていました。その頃に起業家や経営者という存在を知り、他の職業よりも生き様がカッコよく見えたのが経営者を目指した原点です。

今のサービスに着目したのは、自分の好きなこと、得意なことがIT寄りだったため。最初はホームサーチという会社で不動産検索サービスをやっていましたが、それをやり始めて間もないころにiPadが出てきて、パソコンを使いこなせない人でも簡単に使えて、ITの恩恵を受けられる製品だなと、ものすごいインスピレーションを感じました。そこからいろいろアイデアを考えて、ユビレジに行き着きました。

田島:12歳のときに父を病気で亡くし、家業が倒産したことで生きがいを失い、大学生になっても無気力な日々を過ごしていました。そんな矢先、ワタミ株式会社の渡邉美樹さんの講演を拝聴し、渡邉さんのお話と私の体験がリンクし、自分も渡邉さんのようなカッコイイ大人になれるなら社会に出てみたい、起業したいと思ったのが、経営者になることを意識したきっかけです。

今のサービスに着目したのは、私自身、渡邉さんや、近藤代表をはじめとする一流経営者の書籍、親の背中など、あらゆる出会いをきっかけに気持ちが変わり、進化していったので、そのような良いご縁を提供できる事業をやりたいというのが漠然とあったためです。そのなかでオンライン教育システムが得意なエンジニアと出会い、今のサービスになっていきました。

近藤:僕が起業した当時は、起業はカッコイイものでなかったし、むしろ周囲からは「何でそんなことをやるの?」みたいに思われていました。そもそも、僕は2度高校を辞めていたから、就職することもできなかったので、社長になりたくて起業したというより、気づいたら起業していたという感じ。人生ってわからないものだよね。

あるとき、先方とのアポイントに5分遅刻したことがあって、「すみません」と謝ったら、謝らなくていいから時間を返してくれと言われて、それ以来、待ち合わせには約束の時間の15分前、場合によっては30分前に行くようにしています。19歳で起業したゆえに厳しいことをたくさん言われましたが、大事なこともたくさん教えてもらいました。

◆経営者として一番つらかったことは? 何を原動力にして復活する?

木戸:創業時は、やはり大変でした。学生のときに起業したのですが、半ば勢いだったこともあり、当初は3人いたメンバーが、2カ月くらいで僕1人になりました。1人で続けていくなかで新たに人と出会い、それがきっかけでユビレジが誕生しました。

何を原動力に復活するかというご質問ですが、僕は諦めなければ何とかなると考えています。あと、最近、トライアスロンを始めました。大変なことがあると、汗をかいて忘れる、リフレッシュするようにしています。

田島:最もつらかったのは、意外にもPassion Leaders AWARD 2016で準大賞をいただき、成長期に入った後でした。このとき、最も離職率が高くなったのです。理由は、準大賞を獲得したことでいろいろなお披露目の場にも出ることができ、事業は伸びていくと確信し、採用を急いでしまったためです。すると、社員たちの不満があふれてしまい、ある日、社内全員が見られるチャットに「こんな会社は信用できない」と書き込まれてしまったのです。憤りと共に経営者としての自信も揺らぎました。しかし、このままにしておくわけにはいきませんので、社員全員と一対一で話し合ったんです。その結果、多くの人が辞めていきましたが、残ってくれた社員に対して絶対に幸せにするぞ、一枚岩にするぞと改めて決意し、おかげで今は離職率3%未満、絆も強く、人が人を呼ぶ組織に進化できました。

近藤:僕が起業したときは、周りに同年代で起業している人はいないし、前例もない、インターネットもないから、どういうリーダーであるべきなのかわからなかった。そこで思いついたのが、アニメのヒーローだった。経営者は社員にとってヒーローじゃなければいけないって思ったんだよね。参考にした一つは「ルパン三世」。ルパンは盗みに入る前に相手に予告して、メディアや警察が集まった状況をつくって、そこから匠の技でお宝を盗みます。まさに「有言実行力」の象徴。次に「マジンガーZ」。怪獣と戦い、最後にブレストファイヤーという必殺技でとどめを刺す。これは「自分にしかできないこと」の象徴。そして、「ウルトラマン」。ウルトラマンは3分間しか地球にいられないけど、カラータイマーが作動する残り1分間がめちゃくちゃ強い。これは「逆境での強さ」を表しています。この3つをあわせ持ったヒーローになろうと決めたのが、つらさを乗り越えられる僕の原動力になっています。

◆Passion Leaders AWARDは、自身に何をもたらした?

木戸:さまざまな場でプレゼンをする機会はありましたが、一番緊張したのはPassion Leaders AWARDでした。運よく大賞をいただき、SBIホールディングス・北尾社長からご出資いただきましたし、DDホールディングス・松村社長からもご出資だけでなく、導入もしていただきました。他にも、バルニバービさん、ネクシィーズグループさんにも採用していただき、本当に感謝しきれないほど、たくさんの経済効果を得られました。金額でいうと10億円分くらい、何かしらいただいたと思います。

これからエントリーを考えている方に伝えたいのは、応募しない理由はないということ。成長したい、会社を伸ばしたいと考えているなら、申し込んで損はないですし、もし大賞を獲得したら経済効果も大きいので、ぜひ申し込んでいただければと思います。

田島:Passion Leaders AWARDは、人生で一番緊張した瞬間でした。ステージに上がると、頭が真っ白になるほどでした。しかし、この経験は私が経営者として一皮も二皮も剥けて成長できたきっかけでもありました。雲の上の存在のような憧れの経営者の方々が審査員としてずらりと並び、観客も500人いて、その皆さんの前で自分が人生を賭けてきたものを発表する。これほどまでに貴重な体験はそうそうできません。しかも、準大賞をいただけたことで自信になり、さらなる発展への拍車にもなっていきました。加えて、4年後にSBIホールディングスの北尾社長に事業プレゼンをさせていただいたとき、「あのとき、プレゼンが上手だったよね」と言っていただき、それがまた自分の自信へとなっていきました。

Passion Leaders AWARDの第3回目が開催されるそうなので、もしエントリーを考えている方がいたら、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。出場すると決めることで成長に向かう道が間違いなく引かれるので、本当におすすめします。

近藤:Passion Leaders AWARDは出場することもとても大事だけど、観客も勉強になるんだよね。プレゼンしている人がどんな話し方をするのか、審査員はどんな質問をするのか、それにどう答えるのかが見られるので。だから、一番は出場を目指して頑張るのがいいのだけど、観客として見て、あの空気感に触れることも有意義だと思います。

◆今後の日本・世界においてどんなリーダーが必要? また、どんな経営者を目指したい?

木戸:これからどんどんグローバル化、IT化が進み、外部環境が変化していきます。それに伴って日本も変わらないといけません。社会が変われば、会社も変わらないといけないし、会社を変えられるのはリーダーしかいません。そういった変革・変化を起こせるリーダー、経営者を目指します。

田島:志と多様性をもったリーダーが必要で、私自身もこれを強化していきたいと思っています。また、たくさん目標としている経営者がいますが、極めてそのなかで自分らしく輝ける経営者であり続けたいと思っています。

近藤:経営者は上場すると「すべてのステークホルダーのために」と言います。自分と同じ道を進んでいる仲間のためにも、会社をしっかり運営する必要があります。そのためにはお客様が笑顔になることをしないといけない。結果、それがすべてのステークホルダーのためになると思っています。そこをブレずに生きることがリーダーに必要。そういうリーダーには安心感を覚えるし、周囲の人もついていこうと思うだろうから。

ぜひとも、木戸君と田島君には、これからも頑張ってほしいです。

左から、松村厚久理事、株式会社manebi 代表取締役社長 田島智也氏、株式会社ユビレジ 代表取締役 木戸啓太氏、近藤太香巳代表理事、阿部かな子副理事

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vol.56

DXに本気 カギは共創と人材育成

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社

代表取締役社長

井上裕美

DXは日本の喫緊の課題だ。政府はデジタル庁を発足させデジタル化を推進、民間企業もIT投資の名のもとに業務のシステム化やウェブサービスへの移行に努めてきたが、依然として世界に遅れを取っている。IJDS初代社長・井上裕美氏に、日本が本質的なDXに取り組み、加速させるために何が必要か聞く。
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